ボクらのツバサ


「どうしたー?」


不思議そうに聞いてくる陵


「……何で?」


昨日、寝れなくて寝不足気味だったのもあって、声が低くなる。



「拓真にしてはギリギリに来んの珍しーじゃん!」


眠い目を擦りながら俺は机にうつ伏せた。


「…や、……ちょっと寝不足で…」


なんて平然を装いながら陵に接した。


「寝不足かよ…。んじゃ、授業始まるまで寝てろよ」


なんて笑いながらヒラヒラ手を振り、陵は自分の席へと戻っていった。



(…浅月の事は、別に陵が悪い訳じゃないんだ……誰が悪いわけじゃない……)



心の中で何度も自分に言い聞かせる……


でないと、自分自身が……壊れてしまいそうで、何だが恐かった……



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