ボクらのツバサ
待ち合わせした時間から遅れること10分―
「拓真、悪い!待った?」
謝りながらこっちに向かって走ってくる陵。
「部活の方、意外と人が来て抜けるのに時間がかかっちまった…」
「そんなに客いんのかよ? バスケ部は何やってんだっけ?」
「女バスと合同でクレープ屋」
「クレーブかぁー。男バスは女子に人気あったから結構人来るだろうー?」
俺が男バスのメンバーを思い浮かべていると、陵は苦笑いしながら、俺の方を向く。
「まぁーな、それもあるんだろーけど……どっちかって言うと高谷目的?」