ボクらのツバサ
そんな女子の群れを、掻き分けるようにして、高谷の所へ顔を出しに行こうと向かった。
高谷の姿を見つけ、俺達が声をかけようとした時…
彼女の方も、俺達に気付いたみたいで、先に声をかけてきた。
「あれーっ?…久瀬に笹野だ!どうしたのー?クレープ食べにきたのー?」
さっきまで一緒に話していた子達に「ちょっとごめんねー」と言いながら、こっちにきた。
「いやいや…、別にわざわざ自分の部活の模擬店で買おうなんて思わねぇーし…」
陵が苦笑いしながら高谷に話しかける。
「えーっ!別にいいじゃんねぇー? んで、笹野は買ってくれんの〜?」
「いやぁー俺は、女子にモテモテな高谷の姿を、一目見て、学校生活最後の思い出に、目に焼き付けよかと思ってさー」