ボクらのツバサ
教室から出てきた彼女の姿は、やっぱり西崎と同じウエイトレスの格好をしていた。
(……に、似合ってる……)
浅月の姿に思わず見惚れてしまった俺。
「浅月もその格好なんだ…」
俺の傍らにいら陵が、彼女の格好を見てつぶやく。
「あははっ!これね、沙耶の提案なんだよー。せっかく喫茶店やるんだから、雰囲気だけども楽しまなきゃってね。実はちょっと恥ずかしいんだけどさー」
笑いながら、でも恥ずかしそうに頬を赤らめる浅月。
(…高谷が言ってた事ってこの事か…)
さっき中庭で、高谷が話していた「見てからのお楽しみ」と言う言葉を思い出す。
「あっ、そーだ!せっかくだから、2人とも中に入ってってー」
と、俺達を教室の中へと招いてくれたのだった。