ボクらのツバサ
「なんで陵なんだよ!!!」
響き渡る声―
渡り廊下を歩いていた周りの人も、俺の怒鳴った声に振り向く。
でも、今の俺は周りを気にしている余裕もなく、浅月は急に怒鳴った俺に戸惑っていた…
「……た、拓真?」
戸惑いながらも、俺の様子を伺いながら話しかけてくる彼女に、耳を傾ける余裕もなく……
「……陵の事が好きなんだろ?さっきだってリボン渡してたし…だったら自分で聞けばいーじゃんか!!」
今は浅月と一緒に居たくなくて、その場から逃げ出した……
彼女が俺の名前を呼んでいたのにも関わらず、俺は振り向く事なく走り続けた…