ボクらのツバサ
(…後夜祭、出たくないな…フォークダンスを踊る2人の姿を見るなんて…今の俺じゃあ、とてもじゃないけど耐えられない…)
とりあえず俺は、三岬祭が終わったらすぐに帰ろうと、閉会式が終わるまでの時間、ここに居ることにした。
それから、どの位の時間が過ぎただろうか―
空がオレンジ色に染まり始める頃。
相変わらずボーッとして考えていたら、どこからか足音が聞こえてきた。
その足音は次第にこちらへ近づいてくる…
(…………誰だ?)
と、思った瞬間―
「笹野!!」
名前を呼ばれて、ビクッと体を強ばらせながら、俯いていた顔を上げる。