ボクらのツバサ
俺が呆れていると、いつの間にか隣にいた陵が、しかめっ面しながらため息をついた。
陵の機嫌が悪いとこを察した俺は、苦笑いしながら陵に話し掛ける。
「…んなもん、途中で買えばい〜のにな」
「………」
「久瀬君も、西崎君にそう言ったんだけどね…、走って取りに戻っちゃって…」
なんて浅月や陵とやり取りをしている傍らで、高谷は腕を組「悠のヤツ、まだなの〜」とイライラしていた。
それから待つこと30分―
笑顔で「おーい!」と手を振りながら姿を表した西崎だが、待ちくたびれた高谷と陵に、ボロクソ文句を言われ続けてたのは言うまでもない………。