ボクらのツバサ
それから俺は、彼女達がコンビニから出ていく姿を確認した。
(…帰ったか…)
そんな事を考えていたら、少し頬を赤らめながら、浅月が遠慮がちに話し掛けてきた。
「あの……笹野君。あっ、ありがとね…」
「……何が?」
…って白々しく言ったら、浅月はそんな俺の態度に
「ううん、何でもない」とクスクス笑った。
(………?)
何で浅月が笑ったのか謎だったが……
俺はふと、さっき勢いで浅月の手を繋いでいた事を思いだし「あっ!ごめん!」って言ってすぐ離した。
「あ、ううん、別に気にしてないよ!」
と笑顔を向けてくれた。