ボクらのツバサ
「あれ? 浅月…お前、上履きは……?」
俺の隣にいた村瀬が声をかける。
すると浅月は、村瀬の問いに一瞬ビクッとしたが、すぐに「あははっ」っと苦笑いしながら、俺達の方を振り向た。
「最近、私、物忘れが激し〜んだよね!だから、どこに置いたか忘れちゃって」
なんて……明るい声で言う浅月。
(…ってか、たかが1時間の間に、自分の上履きをどこに置いたのか忘れるなんて…有り得ないだろ!)
「あっ!気にしないで先に教室戻っていいよー」
と浅月が手をヒラヒラ振りながら言う。
だけど俺達は「休み時間もそんなに時間ねぇーんだし…。そーも言ってられんねぇーだろ!」と言い、上履きを探す事にしたのだった。