ボクらのツバサ
思いきって聞こうと、ドキドキしている鼓動を落ち着かせる為に、軽く深呼吸をする。
「あのさ…、浅月……」
声をかけると、隣に座って夜空を眺めていた浅月が、俺の方に視線を向ける。
「…何?」
首を傾げる彼女に俺はもう一度、息を吸って一呼吸置く…
「…海の時に言ってた事だけどさ…」
俺の問いに最初『海?』って浅月が不思議そうな顔をしたが、すぐに思い出したらしく、今度は『ああ!』と頷いた。
「あのさ…、その…何となく気になったもんだから…」
「…………」
俺の言葉に黙ってしまい、少し俯せる浅月…