ボクらのツバサ
俺が、西崎との昼のやり取りを思い出そうとしていた時、西崎が急に大きな声で、例の転校生を呼んだ。
「浅月ーーーー!!」
西崎の声に気付いたかのか、数メートル先にいた、小柄で……髪が肩ぐらいあって黒髪の女が振り向いた。
「…西崎君?」
振り向いた彼女がこっち向かってペコッとお辞儀をした。
(……? あれ…?どこかで聞いた事あるような声…)
西崎に声を掛けられた彼女が、こっちに向かって歩いてくる。
「えっと……、確か同じクラスの西崎君だよね?」
「覚えてくれてたんだ! わりぃーな。姿、見掛けたもんだからつい…」