ボクらのツバサ


「そんな…私だって、まさか拓真が、中2の時の事、引きずってるなんて思わなかったよ…。 私の方こそごめんね…」


頭を下げる浅月に、俺は逆に慌てる。


「いや…。ってか、謝るのは俺の方だし!」


お互いに一歩も譲らず、謝っていたら…




ドォーン……




と、花火が上がった。


花火の音にビックリした俺達は、思わず夜空を見上げた。



「…ねぇ……」


花火を見ながら話しかけてくる浅月。


彼女の横顔を、夜空に散る、色とりどりの無数の花火達が淡い光と共に彼女を照らす……


そんな姿に、俺は魅せられていた……



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