ボクらのツバサ
…キーン コーン カーン コーン……
無情にも、チャイムが校舎に鳴り響く…
「ほらほら、ふざけんのその辺にして、授業始まるから教室戻るぞ」
まるで先生みたいに、陵が俺達に向かって手を叩いて誘導する。
(…くっそー…)
チャイムが鳴ってから、荷物をまとめて浅月と楽しそうに話しをしていた、高谷と目が合う。
すると彼女は、勝ち誇った様な顔をして舌をだし、屋上をあとにした。
(…高谷のヤツ…。絶対いつか倍返ししてやる…)
そんな他愛もない日々が続いた頃―
何かが少しずつ…俺達の中で変化している事に、まだ気付かなかった……