泣かないで


「っで、なんのよう?」



倒れた椅子や

散らばったペンを直しながら

繭に背を向けて僕は言った。




「え、あぁ。
 さっきさ、先輩に告られちゃった///」


「ぇ」




繭の言葉に驚いて

手の力が抜けてまたペンが床に散らばる。




「山内駿先輩。
 前に話したことあったでしょ?」




覚えてるよ。

繭、部活の話するときは

ほとんどその男の話ばっかりだもんね。





「…星夜?」


「……」


「星夜、どうしたの?」



 
何言ったらいいのさ。

大好きな人に

他の奴に告られたなんて言われて。



何?繭は言って欲しいの?

良かったねって。
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