涙人
「志帆、別に大丈夫だよ!!」
亜由那が口を開き、志帆の肩に触れる。
「どこが大丈夫なのっ…」
「もっと志帆に釣り合う、いい人がきっといるって!!」
「そっ、そうだよ!!」
「無理…!! うちには真人が一番いいの!!」
ポロポロと涙を流す、志帆。
「志帆の彼氏って、そんなに格好良くないじゃん? ブサイクだよ!! もっといい奴いるって!!」
亜由那の言葉を聞いたとたん、俯いていた志帆は勢い良く顔を上げた。