涙人


「し、志帆…?」

「……いやっ、何でもない…」


志帆の顔は引きつったまま。


俯いて、ぎゅっと手を握っている。


「…志帆ー…?」

「大丈夫?」

「………でしょ……」

「「え…?」」

「大丈夫だっていってるでしょっ!?」

「ちょっ、志帆!!」


志帆はそう叫ぶと、乱暴にカバンを掴んで、ミスドを出て行ってしまった。


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