涙人
だけど、二年前にお兄ちゃんは結婚してアメリカに行ってしまった。
今まで頼りすぎてた分、いい加減自立しなきゃ…と、ケータイの電源を切ったのはいつの事だろう?
「…孤独…」
もう一度、ゆっくり声に出して言ってみる。
頼れる人もいない。友達すらいない。
でも、群れるのは嫌い。
孤独でいい。
…一人がいい。
あたしが誰かの人生を狂わせないうちに、人とかかわるのを止めよう。
そう、固く誓ったその時―…
「…は?」
奇跡が起きたんだ。