涙人
沈黙の中、風がカーテンを揺らす。
ひんやりと頬を撫でる風が気持ちいい。
「…なっ、なんとかいいなさいよっ!!」
「………ピッタリだと言ったんだ」
「だから、何に―!!」
「お前には、今日から涙人として働いてもらう」
「涙人ぉ?」
「俺がパートナーの雫だ。よろしくな」
雫はそう言い、あたしを見つめ、鼻で笑った。
「楽しくなりそうだな」
「意味わかんないし!!」
あたしは冷たく言い放つと、雫に背を向けた。