ペテン師の恋
ある日、仕事終わりに朱一が待っていた。





瑞希は前から朱一の大ファンだったらしく、握手会には毎回手紙を書いて渡していた。






顔もなんとか分かってもらえ、手紙に自分の悩みを書いて、次回、また握手会があったときにでも助言をしてほしいと書いた。






そのときに、働いているクラブの名前も書いてあったため、朱一が訪れた。





そのとき、朱一はすでに私の存在を知っていたらしい。





「朱美ちゃんの…一番利用している、弱そうな男を教えてって言われて…」





それが、山田だったらしい。





「彼は、お金もくれて、私を愛してくれたの…ずっと、憧れだった人と、近づけた…だから…」





「私を陥れたのね」





私の問いに、瑞希は静かに頷いた。





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