ペテン師の恋
一時間ほどたったとき、ようやく聖が美里の家に到着した。






聖は、悲しげな表情のまま、無理な笑顔を美里にみせた。






聖はソファーに座り、美里はお茶をテーブルに出した。






そして、聖の隣に座り、彼を抱きしめた。






「寂しいよね、仲良かった親御さんが他人になるなんて…」






聖は美里に身を委ねて、じっとしていた。







「なんかさ、よく分からないよ。親父は母さんを騙してた…いつから、別の奴と…」






聖の父親は、聖が一人暮らしする前から、不倫をしていたらしい。






聖が一人暮らしをしてから、父親は聖の様子を見ると嘘をつき、女と会っていたらしい。






それが、母にばれ、母は許すことができず、離婚することになった。






「最低だよ…、あんな親父の血が流れてるなんて」






美里は、そんな聖を包み、頭を撫でることしか出来なかった。






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