ペテン師の恋
「失礼します。お連れ様が到着いたしました」







店の店員が座りながら、襖をあける。そして、少し下がり、連れの人が顔を出した。







「えっ…」







美里は連れの顔をみた瞬間、冷静に取り繕っていた仮面がはがれた。







「美里さん、紹介するよ。息子の聖だ」







聖も、美里を見て呆然としていた。







聖は高校の制服を着て、今までみたことない雰囲気だった。







少し、影のあるような、孤独な雰囲気。ホストや美里の前でのイメージとは違って見えた。







美里は、我に返り、急いでさっきの自分の振る舞いを意識した。







「そう、高校生なんて、本当に弟みたいね」







美里は聖にも演技をするように、アイコンタクトをした。







「初めまして…」







聖はぎこちなくだが、美里と母親に挨拶をした。





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