ペテン師の恋
十一章 現在
ママから聞かされた母の人生。
全て聞きおわると、自然に涙が流れていた。
「美里のことだから、あんたには誰の子かわからないとか言ったのかも知れないけど、本当はあんたは美里の宝物だったのよ」
私は、母が愛した人との子供なんだ。幼い真剣な恋の相手。だから、あんなに愛情をくれたんだね。
「美里、あんたを産んでからイキイキしてた。前みたいな妖艶な陰はなくて、綺麗でキラキラしてみんなを明るくしてくれる人になっていった。朱美はそんな美里しか知らないだろうけどね」
ママは懐かしそうに私を見つめる。きっと、私を透し、母の面影を見ているのだろう。
「母は、たくさん愛情をくれた。だから、幸せになって欲しくて、今度は私が手離しちゃったけど」
「それも、かなり悩んでいたのよ。聖くん以外の人を好きになるなんて、考えても居なかったんだから。でもね、好きになるって不思議よね。美里は大切な人が二人できてしまって、器用じゃないから、どちらかを疎かにしてしまう。だから、あんたが、手放してくれたこと、感謝してるみたいよ」
全て聞きおわると、自然に涙が流れていた。
「美里のことだから、あんたには誰の子かわからないとか言ったのかも知れないけど、本当はあんたは美里の宝物だったのよ」
私は、母が愛した人との子供なんだ。幼い真剣な恋の相手。だから、あんなに愛情をくれたんだね。
「美里、あんたを産んでからイキイキしてた。前みたいな妖艶な陰はなくて、綺麗でキラキラしてみんなを明るくしてくれる人になっていった。朱美はそんな美里しか知らないだろうけどね」
ママは懐かしそうに私を見つめる。きっと、私を透し、母の面影を見ているのだろう。
「母は、たくさん愛情をくれた。だから、幸せになって欲しくて、今度は私が手離しちゃったけど」
「それも、かなり悩んでいたのよ。聖くん以外の人を好きになるなんて、考えても居なかったんだから。でもね、好きになるって不思議よね。美里は大切な人が二人できてしまって、器用じゃないから、どちらかを疎かにしてしまう。だから、あんたが、手放してくれたこと、感謝してるみたいよ」