ペテン師の恋
そんな私の肩をママは優しく撫でてくれた。









責めないで、ただ話を聞いてくれるだけで充分救われる。








そして、私が、落ち着いたあと、ゆっくり今度はママがはなし始めた。









「実はね、美里が亡くなったことが、世間でニュースをやるようになったとき、聖くん久しぶりに連絡きたの」








聖…母が好きになった、私の本当の父だ。








あれだけ大きなニュースで流れたら、聖の元にも情報が伝わっているだろう。








聖の唯一の、母の連絡相手がママだ。









連絡がきてもおかしくはない。








「20年以上ぶりかしら、いきなり連絡きてビックリしたわ。でも、あんなニュースが流れたら、いてもたってもいられなかったんでしょうね」








20年たっても、ママの連絡先を消さなかったのは、まだ消えない母への想いがあるからなのだろうか。







< 235 / 278 >

この作品をシェア

pagetop