ペテン師の恋
会ったことのない父親、だけど、興味がある。








お父さんなんていないのが当たり前だったし、ほしいとも思わなかった。









でも、母が愛した人、守った人…








「聖くん、落胆していたわ。20年以上たっても、本当に愛したのは美里なのよね。だから、せめて生きてるなら、あなたに会いたいって言ってたわよ」








会いたい?








父親の存在を知らない私は、戸惑った。









会ってはみたい。でも、今会って、どんな反応をしたらいいのだろう。








「会いたいって…。父親って存在知らないに、何話せばいいのよ…」








それに、私は、聖が愛した人を殺した人を今、愛しているのに、会う資格あるのだろうか。








「朱美、あなたの自分の血の繋がりがある人がいるならば、生きているなら、会いなさい」








生きてるなら…








母とはもう二度と会えない。だったら、父親と会うことも、大切なことかもしれない。









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