ペテン師の恋
十三章 矜持
あれからママはすぐに、聖に連絡してくれた。








そのお陰で、三日後に二人で食事へ行くことになった。








ママにもつきてきて欲しかったが、どうしても断れない用事があるらしく、一人で会いに行く。









メイクは薄いほうがいいのか、服はどんな服着ていけばいいのか、この三日間はずっと悩みっぱなしだった。









母の育て方が悪いとか、そんな風には思われたくない。








父と会うってことは、父は私の中の母の姿をみるだろう。









待ち合わせで、すぐに分かるかな。








ママが来てくれないから、ケータイの番号はしっかり教えてもらった。








こんな数字をみるだけで、緊張してしまう。









この数字が、今、父と繋がっていると思うと不思議でならない。









そして、








私は、聖をなんて呼べば良いのだろう。








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