ペテン師の恋
すると、馴れ馴れしく肩をくんできた。









「ねぇねぇ、シカトしないでよ」








気持ち悪い。私は、すぐに振り払った。








「やめてよ」









それでも、男は私に懲りずに近づいてきた。








あまりのしつこさに、私は、さすがに怒鳴ろうとしたとき…








「うちの娘になにか用か?」









その声に振り向くと、しっかり黒いスーツをきた男性が立っていた。








一目みて私もすぐにわかった。









お父さんだ…







「娘…?」








男は足早にその場を立ち去った。









私は、改めて男性と向き合う。








優しい笑みを浮かべ、懐かしそうに私を見つめている。









間違いない。








会えた…







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