ペテン師の恋
私は意を決して聖に話した。










「これを話したら、嫌われたり、憎まれたりするかもしれない…だけど、はなしたいことがあるの」









改まった私の態度をみて、聖も少し緊張した表情をした。








「どうしたの?改まって…」










言わなきゃいけない…









「実は、私…、お母さんを殺した犯人を愛してるの…」









聖は驚いた顔のまま、動きを止めた。









「始めは、何も知らなかった。でも、朱一を好きになっちゃったの…始めは、私も彼に憎まれていたけど、今は愛してくれる…」










騙されてると思われるかな…









バカな娘だと、愕然としてしまう?










聖は少し、黙り込み、言葉を探している様だった。









「桐崎朱一だよね…?」










ニュースで流れたんだ。










さすがに、聖も犯人は知っていた。








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