ペテン師の恋
そして、私たちは色々な話をした。









私が生まれてからの生活や、自分の考え方。









聖の母と別れたあとの人生、今はホストの取締役、経営の方をしているため、接客には携わっていない。









同じ夜の道へ進んだため、お互い問題や辛さもわかりあえる。









「私は、経営なんて考えてないかな…いつかは辞めようと思う」









「へぇ、やりたいことあるの?」









「朱一の仕事の手伝いを一回したことがあって、片付けただけだけど、なんか楽しかったの。だから、朱一には伝えてないけど、でてきたら履歴書渡すつもり」









あの片付けから、私は、朱一に心を開き始めたんだ。









人前で、作らなくて、自然に笑うことができた。









「そうか、本当に朱一くんが好きなんだな」









聖は、少し悲しい顔をして笑った。








< 254 / 278 >

この作品をシェア

pagetop