ペテン師の恋
私は、不思議に思い、率直に聞いた。









「なんか、気にさわること言った?」









聖は、顔をあげ首を横にふった。









「全然、ただ、父親心っていうのかなぁ…嬉しいような悲しいような…」









父親心…









私は、その言葉がおかしくて吹き出してしまった。









「なにそれ?よく言う、娘の彼氏に嫉妬する父親って感じ?」









笑ってからかう私に、聖は、少し顔を赤くしてふてくされた表情をした。









「父親って、そういう生き物なの!まあ、初めて知ったけどね」









聖は、言い終わると笑った。









「じゃあ、結婚したらないちゃうね。………あっ……」









自然にでた自分の言葉に戸惑った。










結婚だなんて、考えたこともなかったのに、何故だろう。









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