ペテン師の恋
私たちは、店が閉店するまで語り合った。









そして、帰り際に、お互いの連絡先を交換しあった。









「今からでも、改めて親子を始めよう」









聖は、そういってくれた。








私は、嬉しくて、少し恥ずかしくなった。









本当に自分の中にまだ子供心があるのだと、感じた。









離れても、一度も会ったことなくたって、縁があったら逢うことができるんだ。









ねぇ、朱一









本当にあなたと出逢ってからの人生は、とても濃厚で、凄く人らしい人間になっていけている気がするよ。









人形みたいだと言われた頃から、私は、ちゃんと人として温かい人間になれてきてるのかな。









今、なれていなくても、必ずなれるよね。









私には聖という父親の血が流れているのだから。










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