ペテン師の恋
最終章 久遠
朱一と離れて二年が過ぎようとしていた冬。










私は、相変わらずクラブで働き、変わらない毎日を過ごしていた。









聖とも月に何度か会うようになり、親子として「お父さん」と呼ぶことにも慣れてきた。









毎日忙しく過ごしていたが、時々、無性に朱一に会いたくなる日もあった。








しかし、何も情報がない。朱一がどこにいるか何もわからない。








このまま、会えなくなるのでは?








なんて、ネガティブな考えもしてしまう。









それでも、朱一のことは信じたい、諦めたくない。








出逢って、過ごす時間よりも、空白の時間のほうが長くなった。








それでも、変わらない想いが私の中にある。









朱一は、今なにを見ていますか?









あなたも空を見上げることはできるのかな。








冬の星空を見上げながら、私は、朱一を思った。









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