ペテン師の恋
「ちょ、ちょっと…!早くないか?まだ少ししか…」


そこへ、新人の女の子二人が山田をなだめるように入ってきた。



「やまっちぃ~、久しぶりじゃん!」



山田はまんざらでもない様子で二人に腕を引かれ、席に戻った。



私はボーイの横を通る瞬間に小声で「ありがとう」と言い、一万円札を彼の手に握らせた。



「仕事ですから」



そういって微笑む彼は、私を次の席へ案内してくれた。



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