ペテン師の恋
四章 屈辱
店が終わり、朱一とタクシーに乗って彼の家へ向かった。




相変わらず、タクシーでは無言になってしまう。




普段なら私もまだ仕事なのだから、会話を頑張るのだが、朱一といると、何故か無言も心地よく感じた。




でも、イマイチ彼の心が読めない。




いきなり、アフターで家に誘われても私は行かないが、何故だか彼の誘いは嫌ではなかった。




それはきっと、彼は私に何も心がなかったからかもしれない。




危険も感じなければ、好意も感じられない。




そんな男の相手をするのは初めてだ。




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