ペテン師の恋
「ハハハハ…」




朱一は強気な私を笑い飛ばした。




「本当に君は面白い。一筋縄じゃいかないね」




この男、小説家だからなのだろうか、完璧な演技を身に纏っている。




それも、剥がれることのない仮面だ。




「アンタ、自分が有名作家だから、キャバ嬢なんて軽く落とせるとか考えていたんでしょう?悪いけど、私はアンタにはまることはないわ」




そういい放つ私の手を朱一は掴み、私は朱一に押し倒された。




何も怖くなんかない。




男は皆、私の体も欲しがるんだから。




「度胸の座ったお姫様だね。嫌いじゃないよ、僕にそんな強気な態度をとった人は初めてだ」




そういって、冷たい瞳で私を見つめて笑う。




動じない、動じたら敗けだ。





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