ペテン師の恋
私は当てもなく外へ繰り出した。





街は日曜日ということもあり、カップルがやけに目についた。





羨ましいわけではないが、知らず、笑顔で会話をするカップルを見てしまう。





やっぱり、私が笑顔でお客さんと話す雰囲気とはかけはなれている。





あんなに、輝いた笑顔で幸せそうに誰かと話すことなんて、私にはない。





いつだって、裏がある作り笑顔しかできない。





メリット無しに、誰かと一緒にいたいと思う相手がいたら、私もあんなにキラキラした笑顔を自然にできるようになるのかな。





そんなことを考えていると、ふと朱一の顔が脳裏に横切った。




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