ペテン師の恋
店に行く前に、機材車では食事へいけないため、朱一の車が置いてあるアトリエへ向かった。





アトリエは普通のマンションの一室にあり、朱一は機材車を車庫入れすると、



「ちょっと待ってて」




と言って、自分の外車のクラシックカーへ歩いていき、機材車の前まで来てくれた。






「こっちに乗って」






私は、言われた通り機材車から降り、朱一の車に乗った。





私が乗ると、すぐに出発した。






「絵、入れたままで大丈夫なの?盗難にあったら…」




すぐに、出発したため、絵をアトリエへ運ぶこともしていなかった。






有名作家が描いたものだ、あれだけ普通に置いてあったら、盗難にあってもおかしくない。






「大丈夫、セキュリティだけは信用してるから」





意味深な言葉で返された。





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