ペテン師の恋

「朱美さ～ん！聞いてくださいよ！私の彼氏なんですけど…」



優香里は不機嫌そうに話しかけてきた。



どうやら彼氏とケンカしたらしい。



「全く、心の狭い男はダメですよね！」



同意を求められ、返答に困ったが、ぎこちなく返事をした。



「そ、そうね。でも、そうゆう嫉妬があるから愛されてると思うんでしょ？」



束縛や嫉妬は愛されてるが、不安だからしてしまう行為だと、客の誰かが話していたことを伝えた。



「そうなんですかねぇ…。朱美さんの彼氏はどんな方なんですか？」



「彼氏？そんなのつくったことないけど」



男はみんな私にとって、ただの客、彼氏なんて作る必要なんて私にはなかった。