ペテン師の恋
弱々しくあるく瑞希の態度に、私はイライラした。





「指名されてるんだから、背筋伸ばしなさい」






私は冷たくそう言った。





「すみません…」





瑞希は私の顔もみずに俯いて言った。





どうしてこんな子を朱一は知っているんだろう。





出会ったきっかけは?





そんなことを本人に聞くのはシャクに障るし、人の客をとやかく言うなんて、そんなみっともない真似はできない。





だけど、私の心は落ち着かなかった。





接客も疎かになってしまい、私はこれ以上続けると自分のお客さんまで信用がなくなってしまう気がして、バックにいる、ママへ話しに行こうと、席をたった。





その時、視界に朱一と瑞希が入り、朱一と目が合った。





すると、朱一は私に見せつけるように瑞希の肩を抱き寄せて、ニヤリと微笑んできた。





私は、さらに苛立ち、荒い足取りでバックへ入っていった。






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