ブラックボード



私のこと、この人は本当に興味がないんだな。

…そう思わせるような、適当な相づちを打つ先生。


この教師は、最後の最後まで雑なんだと、心のなかで苦笑いする。



だけどそれも、先生らしいような気もした。




「…だからさ、姿見ようと、ここで校門眺めてたんだ。」




そう言ってまた、視線を先生から窓の外の校門へと移す。


校門はもう人通りがなく、私以外の生徒は帰ったみたいだ。



「…気持ち、伝えたらいいのに。」



いつになく真剣に。


いつもは笑って誤魔化そうとしてばかりの先生は、珍しく真面目な表情をしていた。


なかなか合わなかった視線が、私の方を真っ直ぐ見ているのを感じる。


不意打ちを食らったような気分になった私は、先生の声色に似合わず、おちゃらけたような声を出した。



「いーの!さっきここで、姿見れたから!」



そう言って、二カッと微笑んで見せる。


それなのに、私より深刻そうな顔をする先生は、なんだか笑えた。



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