ブラックボード
「最後、だし。」
「…うん。」
「お前らが世話になった教室の掃除でもしようかな~って。」
そう言って、照れたようにはにかむ先生は、入学式の頃から何も変わっていない。
くるんとした目をクシャクシャにしながら優しく笑う先生は、入学式と同じように感じた。
…同じわけ、ないのに。
あれからもう、3年も経ったのにね。
「…だいたい、お前もなんでこんなとこにいんだよ。」
沈黙が気まずくなったのか、はたまた照れ臭さに負けたのか。
話題を逸らすと同時に、視線までも窓の外へと逸らす先生。