ブラックボード






「教師にも平気で口ゲンカしてくるし。
こんな印象深い生徒、他にいねーよ。」



先生がやっと、再び顔をあげた。



「じゃあ、私のこと忘れられないね。」



何か面白いことを思いついたかのように。


そう言って、悪戯っぽく口の端を上げて、微笑んでみる。



そんな私に、先生は半分苦笑混じりでこう言った。




「勘弁してくれ。」



その口調は冗談だけど冗談じゃないように感じて。


わざとらしく顔をしかめる先生に、バーカと悪態をついた。




…最後の最後まで、憎まれ口。


本当にこれで、先生は私のことを忘れなくなるはず。




< 8 / 13 >

この作品をシェア

pagetop