ブラックボード
「教師にも平気で口ゲンカしてくるし。
こんな印象深い生徒、他にいねーよ。」
先生がやっと、再び顔をあげた。
「じゃあ、私のこと忘れられないね。」
何か面白いことを思いついたかのように。
そう言って、悪戯っぽく口の端を上げて、微笑んでみる。
そんな私に、先生は半分苦笑混じりでこう言った。
「勘弁してくれ。」
その口調は冗談だけど冗談じゃないように感じて。
わざとらしく顔をしかめる先生に、バーカと悪態をついた。
…最後の最後まで、憎まれ口。
本当にこれで、先生は私のことを忘れなくなるはず。