ブラックボード
先生の言葉を最後に、どちらともなく目線を窓の外に向けながら口を閉じた。
再び訪れる沈黙と、夕暮れだと感じさせる独特の空気。
もう春だと言うのに、やっぱり空気は肌寒い。
「…本当にお前、なんで教室に残ってるわけ?」
「……。」
話題がなくなった私への、先生からの話題提供。
あんまり気のりがしなかったけど、小さく私は理由を話していく。
「…私さ、好きな人いるんだよね。」
「へぇー。」
「その人と最後だし話したかったんだけどさ。
話す機会全然なくて。」