二重人格王子VS二重人格姫
つい、心の中でツッコむ。



っつーか、俺怪我してんの??



「え、怪我って、どこ??」



不思議に思い聞くと、女は綺麗な指で俺の手をとった。



――――ドキッ


女の手があまりにも白く、柔らかくて…。



触れられた事に、思わずドキッとしてしまった。




「ここ、ですよ」



女が指をさした所には、小さな擦り傷。



「あ、ほんとだ」



…全然気がつかなかったな…。



そう思いながら、女が丁寧に絆創膏を貼っていく姿を、俺はボーッと見つめていた。

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