Desire kiss


「やめ、て…ッ!」


深く、深く啄ばむように、その勢いは衰えを見せなかった。

角度を変えて、覗きこむその口付けには荒い感情しか込められてはいないような気がした。


そして、溶けそうな感覚が神経を真っ白にしていく。


ちゅ、っぱ…、なんとも扇情的な音が部屋に響いて、心菜はびくんと体が感応する。

もう、この衝動は止まらない。


こんな敏感な体だったの?と思わず意識の奥で自答した。


ちゅ、ちゅ…歯列を勝の舌が右往左往してあ、んっと体が素直に反応する。

自分でも厭らしいと卑下する。


「ん…ぅ、ッ!は…ぁッ…んん!」


ああ、溺れていく。
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