Desire kiss
この現状に勝と勝のお母さんはただ呆然としていた。
時がゆっくりと痛めつけていく。
ありとあらゆる脳細胞をフル活動させて、無理やり言葉を発した。
なんとも見苦しい言い訳だと心から思う。それくらい私の言葉は変だった。
「ご、ごめんなさい!勝とベットで格闘技の練習に付き合ってたらミスって思いっきり反則技で足蹴りしちゃった!もう、勝がまた格闘技したいからなんて言うからだよー!私に勝てると思ったら150年くらい早いからね!?ま、何年たっても子供なんだね、あはあはあっは!」
「「……………」」
「――っはあー…あは、は」
かつかつに渇いた笑いが引きつっていく。
私でもこの空間にいたらおかしいって勘付いてしまう。
こんなにもこの場から立ち去りたいと切願したのはいつ以来だろう。
というか勝からキスしてきたんだから、勝も私の役芝居くらい手伝ってよね!?あんな…激しいキス、したんだから!!酸欠の後の言い訳、すっごくつらいのに…!
そんなにも、固まらなくていいじゃない!
何言ってんだコイツ――…、みたいな目で勝見つめないでよ!