Desire kiss
「格闘技…?勝ったらそんな趣味あったの?バスケ熱血馬鹿だったのに新事実ね」
少し不審に思ったらしく勝に問い詰める。
もう心臓がバックンバックンになって、必死で勝に突っかかった。
勝は無表情に近い顔で口を開こうとした。やばい、これ以上聞かれたらいい訳できないし、ばれちゃう。
「そうなんですよ…!一応女子である私に回し蹴り試してきた人初めてです!ね、勝、これからは緑に手伝ってもらってよねーあはは!」
「は?」
見苦しい、絶対おかしい。実際、勝のお母さんは?とした顔で見つめ、首をかしげている。
「心菜ちゃんに回し蹴りですって…!?ちょっと勝、後でたっぷり説教…」
「うわあー!いいんです!私って丈夫だからちょっとやそっとでやられないんですよ!クラスでも乱闘を防いだこともありますから!」
これは本当のことだった。緑が一回調子に乗っていて、背負い投げで一発命中させた。
「え、そうなの?危ないわ…」
心配そうに見つめてくれる優しいお母さん。くっそー…こんないい母親を。
「いやいや~、小さい頃も私よく怪我してたし、平気ですよ。ってうっわ!もうすぐ30分だ…!美羽に本を読まなきゃいけないのでそろそろ失礼します!」
「え、もう帰っちゃうの?」
もう少し、と止めに入る。
「おい」
勝が何か言いたそうに会話に入ってきたことを確認すると、また厄介なことになりそうだと思い、笑顔で礼をした。
「ではでは!」