Desire kiss


「っていうか心菜、男子共と遊ぶのにスカートはないだろ!しかも花柄でブーツ?女の子らしさがにじみ出ているから着替えてこよ」


確かに今日は適当に選んだ(たんすの一番上にあったやつ)花柄のスカート。

女の子らしさって皆無なんだけどな。


さすがに毛がぼーぼーは恥ずかしいから、剃ってきたし。ジーパンはもう何年も前に買ったものしかなくて小さくなってた。

ジャージばっかりという干物女…。うわ泣きたい。


部活で忙しいし、家事や掃除とかであんまり服も買いに行けないんだよね。


「おいおいおい、君は母親か」

冷静なツッコミで返事をすると、零はにやりと笑ってのってくれた。


「いえす、心菜の保護者」

「いやいや保護者以前に、大切な親友兼、家族だからねー」


すっと出た言葉だったけど、なんだか地味に恥ずかしくなってきた。

零も不意打ちをつかれたような顔をして照れを隠すように口をあける。


「あーもう!そんなとこがいけないんでしょ!だから男子とか女子に"構って病"が、蔓延するんでしょ!」


はーっと溜息をついて心菜のスカートをひらひらさせる。


「か、構って病…?ずいぶん可愛らしい病気だね」


それは零から感染する不治の病に決まっている。


「あー…もういいや、とりあえずスカートの下はツンパじゃないんでしょ?ちゃんとスパッツかなんか穿いてるよね?」

「ツンパだよ」

「おい、まずパンツだろ!のツッコミが欲しかった」

「ちっ、あえてスルーしてやったのに。そこは腕を上げたなの言い返しだよ」

「………すまん」

「いいや、許してやろう」


側からみたらなんて会話をしてるんだと白い目で見られそう。

でも楽しいから気にしないや。

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