Desire kiss
「いつもは制服だから、零はきっと可愛いなあって感じで私服を見られるんだろうなー」
スタイルが抜群な零は今日はカジュアルな格好。
ジーパンで足長効果狙ってるな!とか言って、何にも考えてないだろう。
まあ、零は何でも似合うから友達として誇りに思う。こんな綺麗な子がいたら、自慢したくなるよね!
カッコいい子もいたし、今日は零のために頑張るぜ。
お近づけになれたらいいんだけど、零はガードがかたいから、柔らかく。
「は?何言ってんのそれは心菜だからね。こんなヒラッヒラの可愛い格好して男子の餌食にされてしまうじゃん、何考えてんの」
頭を抱えている零はだから男子なんて…とか呟いてる。ええどうした。なにこの子。
「いやあ…もう面倒くさかったからずいぶん前の誕生日でお父さんがプレゼントしてくれたスカート穿こうと思ってさ。一回も着てなかったもん」
「…まあ、それは勿体ないからいいけど」
可哀想なスカートの境遇を思って、これ以上は何も言わなかった。
「久しぶりに男子と遊ぶんだから楽しまなきゃ損だよ、はい零ちゃん笑顔!」
「こう?」
「顔が歪んでる!歯を見せてキラリ!」
「歪んでるってなにー?」
ぎゅーっと頬を横に引っ張ってきた。
「いひゃい、いひゃい…!すいまへん!」
「いい心菜?男子共に詰め寄られても返事しちゃだめだからね!今日はそばにいてよ」
「えええ、にゃんで!」
「頷けばいいの!分かった?」
「りょりょかい!」
ひりひりする感覚に涙目で答えたら、ぱっと離してくれた。
痛みを柔らげようと手で擦りながら、零の後をついていった。