Desire kiss


「――…っ!」


勝とバチっと目があった瞬間、思いっきりそらした。


なぜかじっと見つめてきて、かっと体が熱くなる。

一気にあの衝動が駆け巡り、顔が赤くなって、手をひらひらさせる。


なんでいるの!と思って、顔を下に向けて、パニックになった。


零はどうしたの?という風に視線でたずねる。でも答えられなくて、ただ首を振って紅くなる顔を隠した。


「…しっかし、あれだけ目に入るメンバーで…」


零が呟くのが聞こえてきた。大木達を含め、6人が駅前に立っていた。

え、6対2で遊ぶの?いくらなんでもおかしいよね。


男バスの人の私服がかっこいいのは当たり前で…大木もいつものおちゃらけたイメージとは違って、今時の男の子っていう感じだった。


緑と勝は、またひときわ注目を浴びている。


アクセをつけている緑は、落ち着いた雰囲気でお洒落な上着を羽織っていた。って、ベルトなんかブランドじゃないのあれは!

いつの間にあんな洒落た格好をするようになっ…。


勝は赤のチェック柄の服で、黒の帽子を被ってた。中に着てるのは、きっと白いTシャツ。ズボンは上に合ううすい茶色だった。

ああもう…むかつくけど、かっこいいなあ…!


「…ね、帰ろ?あんな集団といたら嫉妬で睨みつけられる」


同感。零も少々驚いているようだった。

だって、四人の時はいつもジャージで遊んでたから!


「…そ、そうだけど、さすがにそのままっていうのもだめだよ。しかももう見つかってるし」

「…ああ帰りたい。絶対明日から噂になるよ」


少し憂鬱な気分で歩き出して行った。




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