Desire kiss


「…仲良くしよう?こんな機会なかないないし、楽しく皆で遊ぼうよ。男バスでも仲間意識は大事でしょー」

「…古井」

「心菜…」


にこにこと笑顔で言う。

喧嘩は好きじゃない。仲良しなのに、くだらないことで争うのはやめてほしかった。


笑顔の効果で何も言えなくなった緑達は、おずおずと謝る。

零は冷めた目で一瞥すると、私を引き寄せて肩に手を置いた。


「で、ここは人目につくから早く出たいんだけど」


さっきからすごい視線を感じる。


「ああ、どこに行くか話してたけど、坂本達はリクエストあるか?」


大木が問いかける。咄嗟に浮かんだのがあれだった。


「んー、あたし、ボーリングしたいな!久しぶりだから、ハイスコア狙いたいし!」


わくわくとした目で提案する。が、緑は首を振って否定した。


「いいんじゃないか?」


「あ?絶対だめだ!スカートでボーリングする奴があるか!」


名前の知らない男子はまあ…、と頷いている。


「え?そんな心配…」


確かに、見られたら嫌だけど。


「心菜は黙っとけ。口きくな」


「何をー!口きくなって、そんなこと絶対無理だからね」


「心菜、緑は気にしなくていいよ。ただの馬鹿だから」


零に言われてそうだね、とそこは認めた。緑は何だと?という目でこちらを見てくる。

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